フリートークしながらプレゼンするコツ 【病院見学から学ぶ】

年に数回、私の施設にMRI装置の見学依頼をいただきます。もちろん毎回快諾で、来ていただけるだけ光栄なのですが、その度に”人に物事を説明する”難しさを痛感します。

見学中は、MRI装置の特徴や利点もしくは弱点など、そして自施設での検査の特徴や工夫を説明するわけですが、完全にプレゼン状態になります。

フリートークに近い形で、いろいろとディスカッションしながらの説明になるわけですが、自分のプレゼン力の足りなさを痛感いたします。

ということで、今回は反省を含めて、フリートーク形式プレゼンでの難しさとポイントについて考えたいと思います。

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基本的な型が存在しない

学会発表は”目的”からはじまる一定の”型”が存在しますが、施設見学でのプレゼンではまったくそういったものがありません。

学会プレゼン 基本の6つの構成 
学会発表ではいわゆる ”型”  が存在します。学会資料は鉄板の流れがあります。背景→目的→方法→結果→考察→結論。学会資料作成に最低限必要な知識として、一般的な構成を紹介と、そのコツをご紹介します。

たとえば修学旅行や観光で行くような施設でも係員さんが説明をしてくれますが、このようなケースはある程度、毎回同じ説明をするということが決まっているので、それもまた違います。

ひらめき

では何が参考になるかな~、と考えると”ブラタモリ”が良い教材になるのでは??と思います。

ブラタモリでは、訪れた街の博物館の学芸員さんなどが解説にあたります。実は一度、ブラタモリに出演された学芸員さんの講演を拝聴したことがあり、興味深いお話を聞けました。

学芸員さんは日頃から博物館なのでの解説をしているので説明すること、すなわちプレゼンテーションには慣れています。ブラタモリでは、時々、クイズ形式でタモリさんに質問をしますが、けっこうな確率で当ててしまいます。これは学芸員の見せ所潰しです、、、しかも、タモリさんは学芸員さんが質問しようと思ったことを先に言ってしまうことがけっこうあります。

これって学芸員さん側からすると、とってもペースが乱れるそうです。(もちろん嫌な気持ちになるわけではないのですが)

タモリさんの博識もさることながら、適時対応する学芸員さんの能力も大変なものがあります。

なんでペースが乱れるのかと考えますと、基本的にプレゼンの場は質問されるタイミングは明確に設定されていて、途中で突然質問を投げかけられることはないから、ではないでしょうか??

 

こういったフリートークに近い形のプレゼンテーションは、突発的な質問に、即座に対応できる知識と、話をスムーズにつなぐ基礎的なコミュニケーション能力が問われている気がします。

困っていることを聞き出す

さて、こういった施設見学の場合、事前の情報も不足しがちです。どういった目的でいらしているのか明確にした方がこちらも説明をしやすくなりますし、お互いに良い時間を共有できるはずです。

では、どうやって、目的の輪郭をはっきりとさせるかというと、率直に、”どんなことで困ってますか??”と聞くのが良いかと思います。

困る

見学者は何かしらの問題を抱えているから、その解決策を見出すためにくるわけです。なので、何かしら、そのヒントになるようなことを持って帰っていただきたい、と思うのです。

さらに、相手の”目的”が明確になればなるほど、こちらもプレゼンテーションがしやすくなり、具体的な解決策の提案が可能になってきます。

もし相手がちょっとフワフワした状態で、目的をあぶり出せない状態であれば、”僕はこんな事で困ったりしましたが、どうですか??”という質問に変えてみるもの良い手でしょう。

とにかく、見学序盤は相手の目的を明確にする努力をした方が良いと思います。そうしないと、”何を提案”すれば良いのかわからないまま時間だけが過ぎてしまいます。

 

できるだけ個人的なストーリーを話す

つい先日あった見学の時に感じたのですが、解決策を提示するときは、可能な限り”個人的なストーリー”を話すのが効き目がありそうです。

いわゆる、”一般的にはこうです。”という話は教科書やwebで簡単に探すことができます。それよりも、”ここでしか出来なかった”であろう体験を共有してもらう方が、相手に響くのでは??、と思います。それこそが、相手のテリトリーに踏み込んで行く”見学”の醍醐味になるでは??と感じます。

実際、見学される側としては、グイグイと突っ込んだ質問を投げてくれる方が、説明のしがいもありますし、ディスカッションが弾みます。

問題 解決

ですが、そういった積極的な方ばかりではないので、”ストーリーのストック”を作っておく必要があります。そのため、僕が管理しているMRI室では、貴重な症例が来た場合や、機会の異常などはあればすぐにメモをするように、MRIのデスクに小さなメモしておくようにしています。そして、雑談しながら共有。一年もするとけっこうな数になるので、”引き出し”の数は困らなくなります。

とはいえ、やはり「病院施設見学」は難しいです。相手の話を引き出しながら、自分たちの長所を伝えつつ、相手の問題点を解決していくというのは至難の技です。

最近知ったのですが、落語家さんは高座に上がるとき、数本のネタを用意しているそうです。そして、枕と呼ばれる冒頭での話でのお客さんのリアクションをみて、披露するネタを決めすそうですね。ものすごい技術ですよね。こういった、その場にあわせた臨機応変なプレゼンテーション技術がほしいです。落語も勉強してみようと思います。