いままでは平均の比較に向けての解説を行ってきました。
いざ、平均比較の統計テクニックを使う段になって、重要なパラメーターがあります。
それが、P値とαです。統計処理の記述では、”使用した統計テクニック”、”α”、”p値”の3点セットで表記するのが慣例です。
P値とαを教科書的に説明するとかなりややこしい記述なるので、本項ではできる限り専門用語を使わずに感覚的にp値とαを理解してもらえるよう解説していきます。
p値
p値 = ”たまたま、そうなっている確率” と、考えると良いです。
これは計算で求められます。
p値が低ければ ”有意差あり”となります。
ロジックは以下の通りです。
p値が低い
↓
たまたま、そうなっている確率が低い
↓
確実にそうなっている
↓
統計的有意差あり
p値が低ければ低いほど有意差を示す信頼度は高くなります。ここで一つ注意が。
p値の低さは、平均の差の大きさを反映するのではなく、あくまで信頼度です。
p値はデータ量などによっても変化します。
p値は統計用語では有意確率といいます。
α
α = ”どこから有意なP値とするか?を決める値”、と考える良いです。
統計処理を行うものが任意で設定可能ですが、慣例的に以下が使われます。
α = 0.05 = 5%
α = 0.001 = 1%
つまり、P値がαを下回れば有意差あり、となります。
αは統計用語で有意水準といいます。
αはわざわざ書かずに ” p < 0.05を有意差ありとしたよ。 ” という様な書き方をしている場合も多いです。
グラフの場合
Wolf P, et al. Reduced hepatocellular lipid accumulation and energy metabolism in patients with long standing type 1 diabetes mellitus
表の場合
Alruwaili AR, et al. Tract integrity in amyotrophic lateral sclerosis: 6-month evaluation using MR diffusion tensor imaging.
”*”の付け方
慣例的に以下の様になっている。
p < 0.05 → * (一つ)
p < 0.01 → ** (二つ)
p < 0.001 → ***(三つ)
半角・英数字で記述します。
αの注意点 第一種の誤り
少しややこしい説明になります。
α=0.05でp値がそれを下回る場合、95%の確率で有意差あり、という意味です。
つまり、5%の確率で有意差なし、とでる可能性もあるということです。
本来は統計的な差が”ある”のに、”なし”と判定してしまうことを偽陰性といいます。
αはこの偽陰性となる確率も表しています。
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